宇喜田十八軒エリアにベトナム料理「フォー」の専門店があります。自然素材を使って丁寧に作られたフォーは、美味しくヘルシーで、エリア外からのお客さんも多く、評判の人気店となっています。現在は、コロナ感染対策も綿密に行われ、安心して食事ができる店にもなっています。ここでは、ベトナム人オーナーシェフのマイさんにお話しをお伺いしました。
——–日本でフォーの専門店を出そうと思った理由は?
ベトナムでは、麺類は朝から夜中までとてもポピュラーな料理です。その中でも、いつでも食べやすいフォーは、私自身もとても大好きなメニューです。
日本や海外でも食べに行きましたが、なかなか美味しいと思えるフォーに出会えなかったため、それならば自身でつくり、日本の皆様にも食べていただきたい、と考えたのが理由です。
もともと祖母はベトナム王宮で料理人を務めていたこともあり、料理をとても大切にする両親でした。料理は、食材選び、下ごしらえ、火加減などに加え、喜び・愉しみ、そして歴史などにも関係する正に文化そのものだと考えています。ベトナム料理をきっかけに、日本の皆様にもベトナムという国に興味をもってもらえれば、とても嬉しいことだと思います。
——–この場所を選んだ理由は?
もともと夫は江戸川区松江の出身なので、結婚前からよく来ていました。
また、国際協力・事業に夫が携わっておりましたが、タイやベトナムで約10年間の勤務を終えて帰国する際、緑が多く、便利なスーパーや交通の便もよい馴染みある江戸川区に住むことにしたのです。
西葛西から北葛西にかけて、そして船堀周辺は、本当に住みやすく、大好きな場所です。お店は通り沿いに出したいと希望していたところ、ちょうどよいタイミングでこの場所を得ることができました。公園にも面し、皆様にも気軽にお越しいただける場所でもあり、とても嬉しく思っています。
——–食材は、日本の食材ですか? また、すべて自然素材ということですが、これはマイさんのこだわりですか。
食材はなるべく国産としていますが、味や食感・安全性などにも考慮しながら、輸入食材も使用しています。
プライベートでは、生協の安心できる食材も使わせていただいたり、家族の健康にとても気をつけています。
お店は、選んだ素材を約10時間かけて丁寧にスープを煮込む・アク取りをする、化学調味料は一切つかわないなど、実は家庭以上に気を遣って料理しています。やはり、ベトナムという国も好きになってほしいという気持ちも強いので、自身が満足・納得できる料理だけを提供したいと考えています。
——–お料理の内容を,簡単に説明していただけますか。
麺類を中心にしたメニューとしています。
まずは、ベトナム発で世界的な料理にまでなったフォー。こちらは、米粉からつくられる平らな麺で、お子様からお年寄りの方まで皆様にお召し上がりいただけます。鶏肉、牛肉と二種類ございます。
生エビから茹でてご注文毎に調理している生春巻に加え、ベトナムでは大変ポピュラーな揚春巻もセットにできます。
また、さっぱりがお好みの方には、スープ無しのメニューもあり、レモングラスの風味を愉しめる豚肉炒め乗せや、揚春巻を切って乗せたメニューもございます。
オリジナルのタレと一緒に、ぜひ一度試してみていただければと思います。
——–お店の開店時間、定休日など教えてください。
11:30-14:00のみ営業、月曜定休となります。
月曜日が休日・祝祭日の場合は営業し、翌日を休みにしています。
また、夜でも8名様以上のご予約であればお受けしていますが、まずはお電話にてご相談いただければと思います。
——–マイさんの御家庭での食事はベトナム料理ですか、日本料理ですか。
基本はベトナム料理です。ただ、家庭料理であったり、私のオリジナルもあります。
和食は大好きなのでよく食べに行きますが、家庭では味噌汁・豚汁・鍋料理などをつくることが多いです。
やはり、美味しいスープが好きなのかも知れません。
——–お店の名前の由来は?
ベトナム発で世界的に広まったPHO(フォー)と、数字の365を組み合わせて店名としました。数字については、有名なソフトウェアにもあるように、お客様にとって身近で、親しみやすい料理・雰囲気のお店にしていきたい、との願いを込めてみました。
——-ベトナムの出身地はどこですか?
出身地ですが、フエ市となります。
フエは、1802年から1945年までグェン王朝の都だったことから、ベトナムの古都とも言われます。
私の父方の曽祖父は、グェン王朝第12代皇帝のカイディン帝の最側近として皇宮にて仕えており、歴史書にも登場しています。街の中央を流れるフーン河と火炎樹の紅い花、宮廷音楽や独特の料理などがとても有名です。
そのような歴史ある街全体が世界遺産にもなっており、とても趣きがあります。2017年には、天皇皇后両陛下(当時)がお越しになられ、8世紀に日本に伝えられた雅楽についてお話しになられました。そのような街、フエに興味をもっていただけましたら、是非皆様にも足をのばしてみていただければ幸いです。
■PHÓ365 (ベトナム料理・フォー専門店)
江戸川区北葛西2丁目22−18