西部2班の船橋さんは、自治会の幹部としてご尽力されていますが、同時に熱烈な鉄道ファンでもあります。鉄道模型から始まった鉄道趣味は、鉄道路線に実際に乗って楽しむことに移り、最近では、月に2〜3回は鉄道旅に出掛け、それも日帰りでどこまでも行くという熱烈な「乗り鉄」マニアになっています。その船橋さんに「乗り鉄旅」の魅力をお聞きしました。
——どういうきっかけで鉄道が好きになったのですか?
物心が付いたときから鉄道が好きでした。従兄弟のお下がりでもらった、蒸気機関車弁慶号の形をしたまたがって乗る乗り物玩具がありました。それの影響かもしれません。
——船橋さんは、いわゆる「乗り鉄」と言われる鉄道ファンですね?
基本は鉄道模型の収集とジオラマ製作です。以前は「鉄道ファン」という言葉しかありませんでしたが、近年は鉄道の中でジャンルが細分化され、それぞれを表す名称で呼ばれています。鉄道写真の撮影を趣味にする人なら「撮り鉄」、乗ることが主ならば「乗り鉄」などです。私は鉄道模型が専門ですが、鉄道部品の収集もしています。また、ここ2年くらいは東京から離れたローカル線を中心によく乗りに行っています。いわゆる「乗り鉄」にも足入れしました。
——鉄道の一番の魅力はなんでしょうか?
子どもの頃ころから感じていることですが、大きな鉄の乗り物が、人が運転して多くの人を遠くに連れて行ってくれるところです。模型に関しては自分でレイアウトを作り車両を走らせることが好きです。乗り鉄に関しては時刻表とにらめっこしスケジュールを立ててイメージし実行することが魅力ですね。
——いままでにどのくらいの距離、どんな場所に行きましたか?
先ずは、ルールとして原則日帰りで完結することです。これは飼い犬が二頭いて、家をあまり留守に出来ないからです。その上で、なるべく東京から離れていても航空機を用いて乗りに行くこともいといません。
乗車距離でいえば東北北海道新幹線で東京から新函館北斗の820キロです。在来線ですと飛行機で北海道入りし特急列車最長の札幌から稚内の約400キロも乗りました。北海道地方へは宗谷本線特急「宗谷」で稚内、石北本線特急「大雪」で網走、根室本線特急「おおぞら」で釧路、北海道新幹線で函館、もちろん中心の札幌も行きました。
東北地方では奥羽本線新青森、五能線リゾートしらかみ号、羽越本線特急「いなほ」で酒田へ、秋田新幹線で秋田ですね。
北陸中部関西方面では、上越新幹線で新潟、北陸新幹線で金沢、富山へ。高山本線特急「ワイドビューひだ」で名古屋から富山へ。北陸本線特急「サンダーバード」で金沢から大阪へというルートです。
山陰では東京から寝台特急「サンライズ出雲」で出雲市へ。一畑電車で松江。鳥取から智頭急行線特急「スーパーはくと」で鳥取から京都というルートを通りました。
四国地方へは東京から寝台特急「サンライズ 瀬戸」で高松に琴平。土讃線「四国まんなか千年物語」に乗車、アンパンマン号で高知というルートですね。
九州地方は、D&S列車(デザインと物語)の「36ぷらす3」で大分から博多。「ゆふいんの森」で博多から別府。他に特急「白いソニック」などですね。
——一番印象に残っている旅はどこだったでしょうか?
娘と行った鳥取の鳥取砂丘と京都清水寺です。鳥取と京都と聞いて普通は別々の旅行かと思われますが、なんと一度にしかも日帰りで敢行した旅行です。
娘が日本の砂漠をみたい、修学旅行も控えて事前に京都も行きたいと言いだし、一度に出来ないか考えたところそれに見合う列車があったのです。
朝一便で羽田から空路で鳥取に入り鳥取砂丘を観光。鳥取駅に向かい智頭急行線の「特急スーパーはくと」京都行きで山陰から山陽へ、姫路大阪を経由し京都駅に。京都にて洛東観光し新幹線で帰京しました。「特急スーパーはくと」は前面展望車なので一番前の席を予約し秋の車窓を楽しみました。
——失敗もあったと思うのですが、あったら教えてください。
途中の大雨で列車が遅延してしまい乗り継ぎ予定の列車に間に合わない事もったこともありましたが、幸いなことに今まで一日のうちに帰宅できない失敗はありません。計画するにあたり無理な乗り継ぎを避け、天候の悪化が予想されるならば延期や中止にしています。遅延して乗り遅れても幅を持たせているので後続の列車へ振替もスムーズにすみました。
——今後の予定は?
山陰地方の観光列車や、最北端の稚内に行ったので最南端のJR九州指宿枕崎線の西大山駅も目指したいです。それと、北海道新幹線の札幌延伸で廃線が決定した函館本線も乗りに行きたいです。いつか乗れるだろうと思っていても、バタバタとローカル線は廃線になっていく。行けるときに躊躇なく行こう日帰りをモットーに日々時刻表とスケジュールとのにらめっこです。
新幹線のグランクラスに乗ってみたいですね。でも家には飼い犬もいる、仕事も日曜日しか休めない。さてどうしようと考えた結果、日帰りでも出来るよねと思い、2018年9月の日曜日の朝に犬の散歩をしてから家族に黙って羽田空港に行き、空路で石川県小松空港に飛びました。金沢からは北陸新幹線のグランクラスに乗車し車内サービスの食事を舌鼓、飲み放題のお酒を東京まで楽しみました。
これをきっかけに、日帰りでどこまで行けるだろうかと挑戦するようになりました。いつかは行けるだろう、いつかは乗れるだろうと思っていたら、どんどん列車が廃止して姿を消していく、はたまた廃線になっていく。ならば行けるときに行くをモットーにしていくようになりました。
無理な行程は組まず、乗り継ぎの時間を利用して観光もするスタイルで楽しんでいます。
——以下は船橋さんの旅の写真です。